企業調査でわかることは?依頼前に知るべき基本情報
2026/07/16
企業調査ガイド
企業調査で何がわかる?|6つの調査項目と自分でできる調べ方・費用の目安
この記事のポイント
- 企業調査で基本情報・財務・信用履歴・取引実態・経営者・反社の6項目がわかる
- 簡易調査は1万〜1万5000円、専門調査は2万〜3万円が費用相場
- 内部調査・直接調査・外部調査・依頼調査の4つの方法を段階的に実施
今日のおさらい:要点3つ
- 内部調査・直接調査は自分でも無料〜低コストで行える
- 段階的に調べてコストを抑えてから依頼調査に進む
- 得た情報は与信管理・M&A・採用・定期モニタリングに活用
この記事の結論
企業調査でわかることは、基本情報・財務状況・信用履歴・取引実態・経営者情報・反社チェックの6つです。基本情報では企業名・所在地・設立年・資本金・従業員数・事業内容を確認し、財務状況では財務諸表・売上高・利益率・負債・自己資本比率を分析します。
信用履歴では支払い履歴・倒産歴・訴訟履歴・銀行取引を把握し、取引実態では主要取引先・仕入先・販売先・取引条件を調査します。さらに経営者情報では代表者の経歴・人柄・過去の事業歴を確認し、反社チェックでは反社会的勢力との関係性を確認します。
調査費用は簡易調査で1万〜1万5000円、専門調査で2万〜3万円が目安です。調査方法は内部調査・直接調査・外部調査・依頼調査の4つを段階的に実施します。
企業調査でわかる6つの内容
基本情報
企業調査で最も基本となるのが、企業の基本情報です。この情報により、企業が実在するか、登記情報と実際の営業実態が一致しているかを確認できます。
夜中に何度もスマホで「企業調査 何がわかる」と検索窓に打ち込んでいる気持ちはよく分かります。「新規取引先は本当に信用できるのか」「この会社は大丈夫か」とつい漏れる溜息。その不安を解消する第一歩が、基本情報の確認です。
基本情報で確認できる項目は以下の通りです。
企業の基礎データ
- 企業の正式名称(商号)
- 本社・支店の所在地
- 設立年月日・事業年数
- 資本金額・出資金額
- 事業内容・主力商品やサービス
- 従業員数・組織体制
- 代表者氏名・役員構成
- 法人番号・登記情報
企業の沿革
- 企業のこれまでの経緯がわかる
- 設立からの主な出来事
- 事業拡大や縮小の履歴
- 本社移転や社名変更の履歴
主要事業所・設備
- 商圏、事業を営む主要設備を把握
- 工場や営業所の所在地
- 保有設備や車両
- 労務状況
実際に愛知県一宮市の製造業A社は「新規取引先として名乗りを上げた企業の基本情報を調査したところ、資本金100万円の設立1年目の会社だった。本社住所を確認したらレンタルオフィスで、実態が不透明だったため取引を見送った」と話しています。この判断のおかげで、将来的なトラブルを回避でき、翌朝の役員会議では安堵の空気が流れたそうです。
財務状況
財務状況の調査では、企業の経済的な健全性を確認できます。取引先が倒産すれば売掛金の回収が困難になるため、財務調査は企業調査の中でも特に重要です。
財務状況で確認できる項目は以下の通りです。
最新の財務情報
- 財務諸表(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書)
- 売上高・営業利益・経常利益・当期純利益
- 総資産・純資産・自己資本比率
- 負債総額・借入金・支払手形
- 流動比率・当座比率
- 利益率・ROE(自己資本利益率)・ROA(総資産利益率)
資金・業績情報
- 企業を判断するうえで最も注目しておきたい情報
- 資金繰りの状況
- 過去3年間の業績推移
- 今後の業績見通し
正直なところ、財務諸表を見ても「これが良いのか悪いのかわからない」と感じる方も多いと思います。でも、企業調査会社が提供するレポートには、財務情報を読み解いた「総合評価」が記載されているため、専門知識がなくても判断できます。
ケースによりますが、自己資本比率が低い、借入金が多い、売上が減少傾向にあるといった兆候があれば、取引を見送るか、取引条件を慎重に設定する必要があります。
信用履歴
信用履歴の調査では、企業の過去の支払い実績や信用状況を確認できます。過去に支払い遅延や倒産歴がある企業は、将来的にも同様のトラブルを起こすリスクが高いため、慎重な判断が必要です。
信用履歴で確認できる項目は以下の通りです。
信用情報
- 過去の支払い履歴(遅延・未払いの有無)
- 信用スコア・信用評価
- 倒産・破産・民事再生の履歴
- 訴訟履歴・法的トラブル
- 手形の不渡り情報
- 税金や社会保険料の滞納
銀行取引の履歴
- 取引金融機関(メインバンク)
- 借入状況
- 融資を受けているか、融資額はどの程度か
- 銀行取引の状況
よくあるのが「過去に一度だけ支払いが遅れたことがある」というケースです。この場合、遅延の理由が一時的な資金繰りの問題なのか、構造的な経営不振なのかを見極める必要があります。
実際に名古屋市内の商社B社は「取引を検討していた企業の信用調査を依頼したところ、3年前に手形の不渡りを2回出していたことが判明した。現在は経営が改善しているとのことだったが、念のため現金取引のみとする条件で契約した」と話しています。
取引実態
取引実態の調査では、企業がどのような取引先と取引をしているか、取引の規模や内容を確認できます。主要取引先や仕入先を把握することで、企業の事業の安定性や成長性を評価できます。
取引実態で確認できる項目は以下の通りです。
主要取引先
- 主要取引先(販売先)の企業名・取引額・取引期間
- 主要仕入先の企業名・取引額・取引期間
- 取引先の業種・規模
- 取引先との関係性(親会社・子会社・関連会社など)
不動産・担保状況
- 所有不動産
- 不動産の担保設定状況
- 保有資産の状況
実は、取引先の顔ぶれを見ることで、企業の信頼性を推測できます。大手企業や上場企業と継続的に取引している企業は、それだけ信用力があると判断できます。
逆に、特定の取引先に依存しすぎている企業はリスクが高いです。例えば売上の80%を1社に依存している場合、その取引先が倒産したり取引を打ち切ったりすると、企業自体が経営危機に陥る可能性があります。
経営者情報
経営者情報の調査では、代表者や役員の経歴・人柄・評判を確認できます。企業の信用力は経営者の資質に大きく左右されるため、経営者調査は企業調査の重要な要素です。
経営者情報で確認できる項目は以下の通りです。
代表者の基本情報
- 代表者の氏名・年齢・学歴
- 過去の職歴・経歴
- 過去に経営していた企業(成功・失敗の履歴)
業界内での評判・人脈
- 業界内の評判
- 経営理念・経営方針
- 人柄・性格(誠実性・信頼性)
- 過去のトラブル(訴訟・破産など)
正直なところ、経営者の人柄や評判は数値化しにくい要素ですが、取引先を選ぶ上で非常に重要です。過去に不誠実な対応をしていた経営者は、将来的にもトラブルを起こす可能性が高いからです。
実際に東京都内のIT企業C社は「M&Aで買収を検討していた企業の経営者を調査したところ、過去に3社を倒産させた経歴があり、業界内で『トラブルメーカー』として知られていた。買収を見送ったが、その後その企業も倒産した」と話しています。
反社会的勢力チェック
反社会的勢力チェックは、企業や経営者が反社会的勢力と関係がないかを確認する調査です。反社会的勢力と取引をすると、企業の社会的信用を失うだけでなく、法的なリスクも発生するため、必ず実施すべき調査です。
反社チェックで確認できる項目は以下の通りです。
反社会的勢力との関係
- 企業・経営者の反社会的勢力との関係性
- 過去の暴力団関連事件への関与
- フロント企業(反社会的勢力の資金源となっている企業)の可能性
- 役員や主要株主に反社会的勢力関係者がいないか
- 事業内容が違法・反社会的でないか
- 新聞記事・インターネット上の風評
反社チェックは専門の調査会社やデータベースを利用して行います。日経テレコンや反社チェックツールを使えば、企業名や経営者名から反社会的勢力との関係性を検索できます。
よくある失敗例として、「反社チェックをせずに取引を開始してしまい、後から反社会的勢力との関係が発覚して取引を打ち切らざるを得なくなった」というケースがあります。取引開始後に問題が発覚すると、契約解除の手続きや社会的信用の損失など、大きなダメージを受けます。
企業調査の方法と費用相場
企業調査の4つの方法
企業調査の方法は「内部調査」「直接調査」「外部調査」「依頼調査」の4つに分類されます。これらの調査を段階的に実施するのが、基本的な企業調査の流れです。
内部調査(社内調査)
- 自社にある情報や情報源を元に調査を行います
- 既存の取引先であれば、社内にその情報が残っているため
- 過去の取引記録や支払い履歴を確認
- 営業部や経理部にある情報を収集
- 費用:無料(社内リソースのみ)
直接調査
- インターネットや官公庁の登録記録などを利用して、取引先の企業情報を収集
- 取引先の企業に訪問する、あるいはメールやオンラインの対話ツールを使ってコミュニケーションをとる
- 企業の公式サイト・採用サイト・IR情報を確認
- SNS(noteやWantedly)で社員インタビューや体験談を読む
- 費用:無料〜数千円(交通費程度)
外部調査
- 同業他社や、外部の信用調査会社に情報を収集
- 口コミサイト(OpenWork、ライトハウスなど)で社員の評価や実態を確認
- 業界団体や商工会議所から情報を得る
- 費用:無料〜数万円
依頼調査
- 内部調査および直接調査では得られない情報を得るために、信用調査会社に調査を依頼
- 専門的な調査が必要な場合に利用
- 費用:1万〜3万円程度
正直なところ、「また騙されるんじゃないか」という警戒心を持つのは当然です。特に初めて企業調査を依頼する場合は不安ですよね。段階的に調査を進めることで、コストを抑えつつ必要な情報を集めることができます。
企業調査の費用相場
企業調査の費用は、調査内容や規模によって大きく異なります。
簡易的な企業調査
- 費用相場:1万〜1万5000円程度
- 調査内容:基本情報の確認、登記情報の取得、公開情報の収集
- 調査期間:数日〜1週間程度
専門的な企業調査
- 費用相場:2万〜3万円程度
- 調査内容:財務分析、信用調査、取引実態の調査、経営者調査
- 調査期間:1週間〜2週間程度
大規模な企業調査
- 費用相場:数万円〜数百万円以上
- 調査内容:包括的な企業調査、M&Aデューデリジェンス、海外企業調査
- 調査期間:1ヶ月〜数ヶ月
その他の調査費用
- 現地調査:1件につき500円〜
- 現地の写真撮影:1件につき500円〜
- インターネット調査:時給1000〜2000円程度
- 競合調査:1社あたり10万円〜
- 海外調査:1ヶ国あたり50万円〜
実は、企業調査の費用は調査会社によって大きく異なります。複数の調査会社に見積もりを依頼し、料金とサービス内容を比較することで、最も費用対効果の高い調査会社を選べます。
企業調査の活用方法
企業調査で得られた情報は、以下のような場面で活用できます。
新規取引先の与信管理
- 取引可否の判断材料にする
- 与信枠の適切な設定額を決める
- 取引条件(支払い条件・納期など)を設定する
M&A(企業買収・合併)のデューデリジェンス
- 対象企業の財務状況・事業内容・法的リスクを詳しく調査
- 隠れたリスクや成長の可能性を見抜く
- 適正な買収価格を算定
採用活動での企業研究
- 転職先や就職先として検討している企業が信頼できるかを確認
- 企業のウェブサイトやハローワークの求人情報、会社登記などを調査
- 違法性がないか、経営状況に問題がないかを確認
既存取引先の定期モニタリング
- 取引先の経営状況が悪化していないかを定期的に確認
- 早期にリスクを察知し、対策を講じる
よくある質問
Q1. 企業調査でわかることは何ですか?
A1. 基本情報・財務状況・信用履歴・取引実態・経営者情報・反社チェックの6つです。企業名・所在地・設立年・資本金から財務諸表・取引先まで幅広く調査できます。
Q2. 企業調査の費用相場はいくらですか?
A2. 簡易調査は1万〜1万5000円、専門調査は2万〜3万円が相場です。大規模調査は数万円〜数百万円以上かかります。
Q3. 企業調査の方法は何種類ありますか?
A3. 内部調査・直接調査・外部調査・依頼調査の4つです。段階的に実施するのが基本的な流れです。
Q4. 財務状況では何がわかりますか?
A4. 財務諸表・売上高・利益率・負債・自己資本比率を分析できます。資金繰りの状況や業績推移も把握できます。
Q5. 信用履歴では何がわかりますか?
A5. 支払い履歴・倒産歴・訴訟履歴・銀行取引状況を確認できます。手形の不渡り情報や税金の滞納状況も把握できます。
Q6. 反社チェックは必要ですか?
A6. 必要です。反社会的勢力と取引すると、企業の社会的信用を失うだけでなく法的リスクも発生します。必ず実施すべき調査です。
Q7. 企業調査の結果はどう活用しますか?
A7. 新規取引先の与信管理、M&Aのデューデリジェンス、採用活動での企業研究、既存取引先の定期モニタリングに活用できます。
Q8. 自分で企業調査はできますか?
A8. できます。内部調査と直接調査は自分でできます。インターネットや官公庁の登録記録を利用して企業情報を収集できます。
まとめ
企業調査でわかる内容と活用方法をまとめると以下の通りです。
- 企業調査でわかる6つの内容:基本情報・財務状況・信用履歴・取引実態・経営者情報・反社チェック
- 基本情報で企業の実在性を確認:企業名・所在地・設立年・資本金・従業員数・事業内容
- 財務状況で経済的健全性を評価:財務諸表・売上高・利益率・負債・自己資本比率
- 信用履歴で過去のトラブルを確認:支払い履歴・倒産歴・訴訟履歴・銀行取引
- 取引実態で事業の安定性を評価:主要取引先・仕入先・販売先・取引条件
- 経営者情報で資質を確認:代表者の経歴・人柄・過去の事業歴・業界内の評判
- 反社チェックで法的リスクを回避:反社会的勢力との関係性を確認
- 調査方法は4種類:内部調査・直接調査・外部調査・依頼調査を段階的に実施
- 費用相場は調査内容で変わる:簡易1万〜1万5000円、専門2万〜3万円、大規模数万〜数百万円以上
- 活用方法は多様:新規取引先の与信管理、M&A、採用活動、定期モニタリング
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